やっと念願が叶い、初めて東ブータンを訪れる機会が得られました。
首都ティンプーは随分近代化が進み、
年々急激な変化を遂げていますが、
東ブータンにはまだ、本来のブータンらしさが残っています。
今回の旅の目的は、保健省が保健医療サービスの
まだ十分に届いていない人々を対象に行う調査に、
調査団として加わえて頂き、保健省の役人と共に、
各地のコミュニティや医療機関を回り、
人々の話しを聞く事でした。
ブータン東部には、6つの県がありますが、
保健医療提供体制には、それぞれに違った悩みを抱えています。
例えば、保健人材の不足はどこも共通ですが、
道路や医療機関へのアクセス、地理的な問題、
まだまだ伝統的な民間療法に頼る人々が多い地域、
季節によって移動する遊牧民族へどうサービスを提供するか等です。
中でも今回の旅のハイライトは、メラクとサクテンという、
人里離れた高所に住み、ヤクと呼ばれる動物と共に生き、
独特の生活と文化を守る人々の村を訪れることでした。
一番近い車道まで歩いて丸一日かかるようなところに
その村々はありますが、そこにもBasic Health Unitと
呼ばれる末端の医療機関があり、Health Assistantと
呼ばれる医療従事者が住民の健康を日々支えています。
私の働く病院には、全国各地から患者さんがやってきますが、
実際その人達がどのようなところから来て、
また退院後どのようなところへ帰って行くのか、
ずっと気になっていました。
今回東ブータンを訪れ、人々の暮らしと、それを支える地域の医療機関、
それを実際に自分の足で歩き、眼で見、人々と触れ合う事が出来て、
大変学びの多い旅になりました。
貴重な機会を与えて下さった、ブータン政府保健省の方々に、
心から感謝したいと思います。
| Sakten村の朝日 |