ブータンに来て早3年が経ちますが、
今回の一時帰国を機に、ブータンでの所属が、
保健省からブータン医科大学に変わりました。
所属が変わってもこれまで通り、
ティンプー病院で新生児科医として働き、
業務もこれまで通り、臨床・研究・教育が
メインになることに変わりはありません。
ブータン初の後期研修(専門医研修)がこの7月から始まり、
僭越ながら、小児科のコースコーディネーターに任命されました。
よって、これまで新生児病棟で過ごす事が殆どだったのが、
インターンや小児科後期研修医教育の一貫で、
小児科病棟にも足を運ぶ機会が増えてきました。
新生児診療が長い私には、小児科疾患は久しぶりで、
正直とても新鮮ですが、中でも日本の病院では
まずお目にかからないような病気にも、
時に遭遇し、今更ながら大変勉強になります。
例えば、マラリア、デング熱等を初め、
恙虫病、カラアザール等のの顧みられない熱帯病や
人畜共通感染症等がそれです。
日本でも、最近デング熱が国内発生し、
話題になっているようですが、
温暖化やグローバリゼーションに伴い、
ますます熱帯感染症は対岸の火事ではなくなって来ています。
小児熱帯感染症の知識や経験が、
日本の小児科医の必須科目になる日も、
そう遠くはないかもしれませんね。
ヒマラヤの小国ブータン。この王国は、知れば知るほど形を変え、まるでカレイドスコープ(万華鏡)のよう。このブログでは、そんなブータンでの暮らし、ありのままの日々を綴りながら、「人間の幸せとは何か」を考えます。
2014年9月9日火曜日
頑張れ! Made in Bhutan 〜トイレットペーパー〜
ブータンは日用品の殆どを外国からの輸入に頼っています。
輸入先の多くが、インド、タイ、バングラデシュ、中国等の
近隣諸国です。
ブータンに来てから、輸入品で溢れかえる街の商店を見ては、
この国はこれらの輸入相手国と外交上何か問題が起きたら、
途端に大変なことになりそうだと、いつも心配していました。
よっていつ頃からか、できるだけブータン産の物を選んで
買うよう心がけるようになりました。
お野菜も出来るだけブータン産を買うようにし、
晩酌もブータン産ビール。
結婚等のお祝い事の進物も、
できるだけブータン産の工芸品を選ぶようにしています。
しかし、このごろ少しずつですが、変化の兆しが見え始めました。
何と、初の国内産トイレットペーパーが市場にお目見えしたのです。
原料から全て国産なのか、
はたまたパッケージングだけ国内でやっているのかは
定かではありませんが、国内企業である事は間違いなさそうです。
我が家でも、これまで使っていたタイからの
輸入品のトイレットペーパーをやめ、
これからはこちらを買う事にしました。
ちなみにお値段は、
6個入り120Nu (日本円で約200円)、
12個入り249Nu(日本円で約420円)。
あれ?
何だかこの価格設定おかしいですね。
多く買う程、単価が高くなるって逆でなかったでしたっけ?
割高ではありますが、
それでもブータンのためならと、
しばらく続けられるかぎり、
続けてみようと思います。
使い心地も柔らかくて特に苦になりません。
さらに驚いた事がありました。
パッケージにお客様相談室の連絡先が書いてあり、
欠品、不良品があった場合は連絡するように書いてあるではありませんか。
日本では普通の事ですが、ブータンでは中々なかった事です。
頑張れ!Made in Bhutan.
これからもブータン製品を、日本製品同様応援して行きたいと思います。
輸入先の多くが、インド、タイ、バングラデシュ、中国等の
近隣諸国です。
ブータンに来てから、輸入品で溢れかえる街の商店を見ては、
この国はこれらの輸入相手国と外交上何か問題が起きたら、
途端に大変なことになりそうだと、いつも心配していました。
よっていつ頃からか、できるだけブータン産の物を選んで
買うよう心がけるようになりました。
お野菜も出来るだけブータン産を買うようにし、
晩酌もブータン産ビール。
結婚等のお祝い事の進物も、
できるだけブータン産の工芸品を選ぶようにしています。
しかし、このごろ少しずつですが、変化の兆しが見え始めました。
何と、初の国内産トイレットペーパーが市場にお目見えしたのです。
原料から全て国産なのか、
はたまたパッケージングだけ国内でやっているのかは
定かではありませんが、国内企業である事は間違いなさそうです。
我が家でも、これまで使っていたタイからの
輸入品のトイレットペーパーをやめ、
これからはこちらを買う事にしました。
ちなみにお値段は、
6個入り120Nu (日本円で約200円)、
12個入り249Nu(日本円で約420円)。
あれ?
何だかこの価格設定おかしいですね。
多く買う程、単価が高くなるって逆でなかったでしたっけ?
割高ではありますが、
それでもブータンのためならと、
しばらく続けられるかぎり、
続けてみようと思います。
使い心地も柔らかくて特に苦になりません。
さらに驚いた事がありました。
パッケージにお客様相談室の連絡先が書いてあり、
欠品、不良品があった場合は連絡するように書いてあるではありませんか。
日本では普通の事ですが、ブータンでは中々なかった事です。
頑張れ!Made in Bhutan.
これからもブータン製品を、日本製品同様応援して行きたいと思います。
2014年6月9日月曜日
初めての東ブータン
ブータンに来て早3年という月日が経ちましたが、
やっと念願が叶い、初めて東ブータンを訪れる機会が得られました。
首都ティンプーは随分近代化が進み、
年々急激な変化を遂げていますが、
東ブータンにはまだ、本来のブータンらしさが残っています。
今回の旅の目的は、保健省が保健医療サービスの
まだ十分に届いていない人々を対象に行う調査に、
調査団として加わえて頂き、保健省の役人と共に、
各地のコミュニティや医療機関を回り、
人々の話しを聞く事でした。
ブータン東部には、6つの県がありますが、
保健医療提供体制には、それぞれに違った悩みを抱えています。
例えば、保健人材の不足はどこも共通ですが、
道路や医療機関へのアクセス、地理的な問題、
まだまだ伝統的な民間療法に頼る人々が多い地域、
季節によって移動する遊牧民族へどうサービスを提供するか等です。
中でも今回の旅のハイライトは、メラクとサクテンという、
人里離れた高所に住み、ヤクと呼ばれる動物と共に生き、
独特の生活と文化を守る人々の村を訪れることでした。
一番近い車道まで歩いて丸一日かかるようなところに
その村々はありますが、そこにもBasic Health Unitと
呼ばれる末端の医療機関があり、Health Assistantと
呼ばれる医療従事者が住民の健康を日々支えています。
私の働く病院には、全国各地から患者さんがやってきますが、
実際その人達がどのようなところから来て、
また退院後どのようなところへ帰って行くのか、
ずっと気になっていました。
今回東ブータンを訪れ、人々の暮らしと、それを支える地域の医療機関、
それを実際に自分の足で歩き、眼で見、人々と触れ合う事が出来て、
大変学びの多い旅になりました。
貴重な機会を与えて下さった、ブータン政府保健省の方々に、
心から感謝したいと思います。
やっと念願が叶い、初めて東ブータンを訪れる機会が得られました。
首都ティンプーは随分近代化が進み、
年々急激な変化を遂げていますが、
東ブータンにはまだ、本来のブータンらしさが残っています。
今回の旅の目的は、保健省が保健医療サービスの
まだ十分に届いていない人々を対象に行う調査に、
調査団として加わえて頂き、保健省の役人と共に、
各地のコミュニティや医療機関を回り、
人々の話しを聞く事でした。
ブータン東部には、6つの県がありますが、
保健医療提供体制には、それぞれに違った悩みを抱えています。
例えば、保健人材の不足はどこも共通ですが、
道路や医療機関へのアクセス、地理的な問題、
まだまだ伝統的な民間療法に頼る人々が多い地域、
季節によって移動する遊牧民族へどうサービスを提供するか等です。
中でも今回の旅のハイライトは、メラクとサクテンという、
人里離れた高所に住み、ヤクと呼ばれる動物と共に生き、
独特の生活と文化を守る人々の村を訪れることでした。
一番近い車道まで歩いて丸一日かかるようなところに
その村々はありますが、そこにもBasic Health Unitと
呼ばれる末端の医療機関があり、Health Assistantと
呼ばれる医療従事者が住民の健康を日々支えています。
私の働く病院には、全国各地から患者さんがやってきますが、
実際その人達がどのようなところから来て、
また退院後どのようなところへ帰って行くのか、
ずっと気になっていました。
今回東ブータンを訪れ、人々の暮らしと、それを支える地域の医療機関、
それを実際に自分の足で歩き、眼で見、人々と触れ合う事が出来て、
大変学びの多い旅になりました。
貴重な機会を与えて下さった、ブータン政府保健省の方々に、
心から感謝したいと思います。
| Sakten村の朝日 |
京都大学病院とブータン王立医科大学との医学交流
2013年10月29日、
京都大学病院とブータン王立医科大学、そしてブータン政府保健省が
三者覚書を結びました。
ブータン王立医科大学として、外国の大学と覚書を結ぶのは、
これが初めてになります。
この覚書のもと、現在京都大学病院から、外科、内科等の専門医、
そして看護師等からなる訪問団が、3ヶ月毎に私の働く
Jigme Dorji Wangchuck National Referral Hospitalを訪れ、
ブータン人医師、看護師達とともに、患者さんの診療にあたっています。
緻密な日本の医療の最先端から、
衛生状態や地理的状況、医療システム等、
様々な面で異なる環境に身を置いてみると、
同じ医療現場でありながら、
また違った景色が見えてきます。
今年から、ブータン王立医科大学では、
専門医を育てる卒後研修プログラムが開始される予定です。
ブータンの医療界の未来を担う医師育成に、
日本の医師や看護師らが、何らかの役割を果たせればと思います。
京都大学病院とブータン王立医科大学、そしてブータン政府保健省が
三者覚書を結びました。
ブータン王立医科大学として、外国の大学と覚書を結ぶのは、
これが初めてになります。
この覚書のもと、現在京都大学病院から、外科、内科等の専門医、
そして看護師等からなる訪問団が、3ヶ月毎に私の働く
Jigme Dorji Wangchuck National Referral Hospitalを訪れ、
ブータン人医師、看護師達とともに、患者さんの診療にあたっています。
緻密な日本の医療の最先端から、
衛生状態や地理的状況、医療システム等、
様々な面で異なる環境に身を置いてみると、
同じ医療現場でありながら、
また違った景色が見えてきます。
今年から、ブータン王立医科大学では、
専門医を育てる卒後研修プログラムが開始される予定です。
ブータンの医療界の未来を担う医師育成に、
日本の医師や看護師らが、何らかの役割を果たせればと思います。
2014年1月18日土曜日
新人医師オリエンテーション
ティンプーは朝晩まだまだ寒い日が続いていますが、
今週から、ブータンで新しく国家公務員となった
新人医師のための臨床技能オリエンテーションが始まりました。
彼らは、医学部を卒業して間もない、
知識も経験もまだまだ限られる新人医師ですが、
その多くが、医療過疎の地方病院に赴任して行きます。
そこには、県に医師が1人だったり、2人だったり、
そんな地域です。
中には「これは自分の専門じゃないから」といって
患者さんを他の病院に送ろうと思っても、
一番近くの大きな病院まで、
何日もかかってしまう。
そんな地域すらあります。
ですから基本的に、何でも診なければなりません。
妊婦も、お年寄りも、そして赤ちゃんも。
そんな彼らに、私は新生児の心肺蘇生を、
講義し、実習を担当しました。
心肺蘇生は、赤ちゃんの生死を分ける、
大事な知識と技術です。
それをマネキンを使ってハンズオンで、
手取り足取りみっちり練習してもらいました。
こういった技術の習得には、
失敗しても、何回でも何回でも
コツを得るまで試すことのできる、
シュミレーション教育がとっても大切です。
少しでも地方の赤ちゃんの助けになれば、
そういう思いで、ついつい熱くなってしまいましたが、
参加者達もよく応え、とても熱心に練習してくれました。
今週から、ブータンで新しく国家公務員となった
新人医師のための臨床技能オリエンテーションが始まりました。
彼らは、医学部を卒業して間もない、
知識も経験もまだまだ限られる新人医師ですが、
その多くが、医療過疎の地方病院に赴任して行きます。
そこには、県に医師が1人だったり、2人だったり、
そんな地域です。
中には「これは自分の専門じゃないから」といって
患者さんを他の病院に送ろうと思っても、
一番近くの大きな病院まで、
何日もかかってしまう。
そんな地域すらあります。
ですから基本的に、何でも診なければなりません。
妊婦も、お年寄りも、そして赤ちゃんも。
そんな彼らに、私は新生児の心肺蘇生を、
講義し、実習を担当しました。
心肺蘇生は、赤ちゃんの生死を分ける、
大事な知識と技術です。
それをマネキンを使ってハンズオンで、
手取り足取りみっちり練習してもらいました。
こういった技術の習得には、
失敗しても、何回でも何回でも
コツを得るまで試すことのできる、
シュミレーション教育がとっても大切です。
少しでも地方の赤ちゃんの助けになれば、
そういう思いで、ついつい熱くなってしまいましたが、
参加者達もよく応え、とても熱心に練習してくれました。
臨床だけでなく、
こういう医学教育の場にも、
今後も積極的に参画して行き、
新しい世代の医師を育てる
協力が出来ればと思っています。
2013年12月31日火曜日
ティンプーの冬
ティンプーの冬はとても寒いです。
お風呂が大好きな私ですが、
我が家には残念ながら湯舟がありません。
でも有り難いことにお湯は蛇口から出ます。
ただし、45Lのタライ2杯弱分ぐらいしか出ません。
湯沸かし器の容量を超えると冷たい水に突然変わります。
最近?石鹸を使わない体の洗い方が注目を集めているとか。
私も同じ洗い方に変更する事に決めまし た。
ただし湯船につからず、かけ湯のみで同等の効果が
果たして期待できるのかどうか、、、?
当分は数日に1回は石鹸で洗ってしまいそうですが、
お湯の節約にはなりそうです。
今年も残すところ後わずかになりました。
今年も多くの人たちに支えられ、
ここブータンで何とか元気に暮らしています。
今年は、新しいカンガルーケアユニットの立ち上げや、
乳児健診&母乳育児外来の整備、ハイリスク児フォローアップの立 ち上げ等等
どれも小さな一歩ばかりですが、これからも赤ちゃんのために
着実に進んで行きたいと思います。
皆様、どうかくれぐれも良いお年をお迎えください。
お風呂が大好きな私ですが、
我が家には残念ながら湯舟がありません。
でも有り難いことにお湯は蛇口から出ます。
ただし、45Lのタライ2杯弱分ぐらいしか出ません。
湯沸かし器の容量を超えると冷たい水に突然変わります。
最近?石鹸を使わない体の洗い方が注目を集めているとか。
私も同じ洗い方に変更する事に決めまし
ただし湯船につからず、かけ湯のみで同等の効果が
果たして期待できるのかどうか、、、?
当分は数日に1回は石鹸で洗ってしまいそうですが、
お湯の節約にはなりそうです。
今年も残すところ後わずかになりました。
今年も多くの人たちに支えられ、
ここブータンで何とか元気に暮らしています。
今年は、新しいカンガルーケアユニットの立ち上げや、
乳児健診&母乳育児外来の整備、ハイリスク児フォローアップの立
どれも小さな一歩ばかりですが、これからも赤ちゃんのために
着実に進んで行きたいと思います。
皆様、どうかくれぐれも良いお年をお迎えください。
2013年11月17日日曜日
World Prematurity Day (世界早産の日)2013
毎年11月17日はWorld Prematurity Dayです。
2012年にWHO(世界保健機関)が発表した報告書
Born Too Soon- Global Action Report
on Preterm Birth によると、
毎年全世界で1500万人の早産児が誕生しており、
その数は全出生数の約10%を占めています。
つまり赤ちゃん10人のうち一人の割合で、
早産児が生まれている計算になります。
早産は世界の新生児の死亡原因で最も多く、
こどもの死亡原因でも肺炎についで第2位を
占めている深刻な問題です。
早産が、物質的にも人的にも恵まれた
先進国だけの問題では決してないことは、
言うまでもありません。
ブータンでも、約10人に一人が早産で生まれますが、
1ヶ月未満に死亡している赤ちゃんの約半数が早産児です。
このように早産である事自体が、赤ちゃんにとって
生命のリスクに直結するのです。
よって、このWorld Prematurity Dayは、
早産の予防と早産児合併症の対策を推進するために、
世界中でその重要性を確認し合い、
関心を集める目的で設定されました。
ブータンではこれまで、この日が大きく取り
上げられる事はありませんでしたが、
今年から我々の病棟の看護師さんに主体となってもらい、
イベントを何かやろうと持ちかけました。
結果、今年はNICUを退院した患者さんとそのご家族、
そして現在NICUに入院している患者さんのご家族を
橋渡しし、交流を深めてもらおうと、ささやかな
合同ティーパーティーを病棟の隅っこで開くことにしました。
このような会は、日本のNICUでは行われているところも
あるでしょうが、ブータンではこれまで
余りなされて来ませんでした。
しかし、このような機会は、
現在NICUに入院している患者さんの家族にとっては、
ピアカウンセリングにもなりますし、
働いているスタッフにとっても、
すくすく成長する卒業生の姿を見る事は、
励みにもなりますし、自分たちの仕事の重みを
再認識するきっかけにもなります。
何でもこの日のテーマカラーは「パープル」だそうで、
みんなでNICU中に「パープル」の風船を飾り付けしたため、
大人も子どもも大喜びでした。
折角の良い機会ですので、
これからも毎年、すこしずつバージョンアップしながら、
続けて行きたいと思います。
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