2013年8月4日日曜日

看護師さん向け講義


私の勤めている病棟には、
新生児科医がわたし一人しかいません。
よって、日勤帯は私が毎日ひとりで患者さんの診療にあたり、
休日・夜間はブータン人の小児科医と交代で対応しています。

いつでも24時間必ず医師がいる日本のNICU(新生児集中治療室)
でもそうですが、こういう状況では、
医師がすぐ対応できるわけではないので、
それぞれのシフトに入っている看護師さんの観察力が、
ことさらとても大切になってきます。

よって昨年から少しずつ、
新生児によくある、特有の疾患の看護のポイントを、
病態生理の理解から、どういうことが予測され、
どういうところを観察し、どうなったら早めに
医師に知らせてほしいかを、
具体的にわかりやすく伝えるために、
毎朝看護師さんに1時間程で講義をしています。

余り知られていないかも知れませんが、
新生児期に特有の病気が、実は意外にたくさんあります。
例えば、胎便吸引症候群、壊死性腸炎、未熟児網膜症、
動脈管開存症などです。

看護師さんも足りないため、1回ですべてのスタッフを
カバーすることができません。

よって、同じトピックを2回、3回と繰り返し講義しています。

そしてその時、病棟にいる患者さんの疾患を、
なるべく扱うように心がけています。

最初は英語での講義、パワーポイント作成も一苦労でしたが、
今では随分慣れて、あまり苦に感じなくなってきました。

講義をする部屋は、病棟の倉庫を改造したにわか仕立てで、
窓もなくてそれはそれは窮屈ですが、それでも毎日、
新しい知識を吸収して、またはどこかでいつか聞いた事のある
知識でもそれを改めて思い出してもらい、
例え一ミリでもいいから前進し、
今日よりも明日の新生児ケアが、
よくなることを願って、続けています。




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