オンコールとは、時間外に入院中の患者さんの急変、または入院が必要な
患者さんに対応する当番の事をいいます。
日本では「当直」と言って、病院の中の当直室に待機しますが、
ブータンには当直室はありません。
医師が少ないので、当直シフトを組むことができないのです。
そのかわり、ドクターをはじめ病院職員は、院長も含めて、病院の敷地内
に用意されている職員宿舎に住んでいます。
まさに究極の職住近接です。
しかし、昨今厳しいティンプーの住宅事情を考えると、痛し痒しといった
ところのようです。
医療費が無料のブータンでは、患者さんは時と場所を選ばず、診療を求めて来られます。
休みの日にドクターの家にやって来て、診てくれという患者さんも珍しくありません。
しかしそういう人は大抵、知り合いや友達、親戚だったりするので、ブータンの人は
決して断りません。
決して断りません。
小さな社会であるブータンでは、誰でも何処かでなにがしかの繋がりがあるので、
事実上、断る事はできないのです。
事実上、断る事はできないのです。
夜道は危ないという事で、夜間に病院からの呼び出しがあるときは、病院の救急車が迎えに
来てくれます。
今日は水曜日ですが、早くも緊急帝王切開、緊急入院、急変と3日連続で
夜間の緊急呼び出しがありました。
夜中の病棟は看護師さんが2人で25人の赤ちゃんを守ってくれています。
といっても看護師さんだけでは到底ケアしきれないため、家族が病棟に寝泊まりして、
24時間付き添い、授乳したりオムツを替えたりしています。
一応、家族には専用の部屋がありますが、大抵満員なので、場合によっては、
床にゴザのような物を敷いて赤ちゃんのベッドの横に寝たりしています。
入院が何ヶ月にも及ぶ事もあるので、家族は本当に大変だと思いますが、
親戚・縁者が皆で支え合い、ひとつの小さないのちがこの世に巣立っていく
日を夢見て、ただひたすらにその時を待ちます。
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